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高森明勅
2016.10.11 01:00

安全と自由の基礎

人は安全と自由(或いは生存とその充実)を求める。

その安全と自由を可能にするのは何か。

端的に言って、「秩序」だ。

安定した秩序なき所に安全も自由も保障されない。

では、安定した秩序を可能にするのは何か。

様々な条件を考えることが出来る。

だが取り分け重要なのは、権威ある社会の中心だろう。

社会に、人々が信頼を寄せることができる(真の意味で)
“権威ある”
統合の中心が存在してこそ、秩序は安定を得る。

逆に、社会の中心に位置する者に権威がなければ、
秩序は不安定になる。

そうなると、権力で強圧的に安定化を図るか、
秩序が崩れるのを
座視するしかない。

どちらも、人々の安全と自由を損なう結果になる。

では、その権威は何に基づくか。

1つは、その地位の妥当性と正統性が、歴史(由緒)に
裏打ちされていること(法的正当性も含まれる)。

もう1つは、
社会の中心の地位にある当事者自身の振る舞いが十分、
人々の信頼と尊敬に値すること。

その両方が揃ってこそ、権威ある社会の中心者たり得るだろう。

更に、統合の中心者は極力、政治的・経済的な敵対者を持たないのが、
最も望ましい。

わが国において、それに相応しい存在は、
どこに求めることが出来るか。

あらゆるイデオロギー的な予断を排し、感情的でなく、
理性的に考えてみるべきだろう。

そうすると、皇室以外に答えを見出だすのが
困難であることに気付くはずだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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